「私そういうの興味ないもん。みんなでやりなよ!」



何か言いたげな表情だったけれど、渋々頷いた女子たちと私は大きく違っていた。

自分って見た目も中身もどうしてこんなにも可愛くないのだろう、どうしてこんなにひねくれているんだろう。


ほんとうはみんなよりもはやくから気にしていたのになあ、と素直になれない自分に腹を立てているけれど、なおることはきっとない。

素直でかわいいクラスメイトに私の気持ちなんてこれっぽっちもわからないだろう。




心がひとりで叫んでいるけれど、誰も気づいていないし、気づかれないように振る舞う。







バレンタイン前日の放課後。



「咲夜(さくや)くぅーん!!!!」
「バレンタイン待っててね〜っ!」
「愛情込めて作るねっ!!!!!」



私がとなりにいるのにかわいい女の子に声をかけられている。その女の子たちは彼に好意を寄せていて、顔に"すきだ"と書いてある。