わたしはひとりで大丈夫だけど、希帆は誰かがついていないとと言われた気がして、悲しかった。
…伊織の彼女はわたしなのに。希帆じゃないのにと思ってしまう自分の心の弱さが、悔しかった。
意を決して話そうとしたことが、伊織にとっては「そんなこと」で片づけられてしまうのが、つらかった。
まさか伊織に否定されるなんて、思わないじゃない。
「ねぇ伊織、抱いて」
「っ本当に今日の紗和、なんか」
「いいから、抱いて。おねがい…っ」
あぁ、
嗚呼、
滑稽なわたし。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…