「…ごめん」
謝ることしかできない。
「…ふーん。
もう、わかったわ」
俯いていると、梨紗は不敵な笑みを浮かべながらそう言った。
「梨紗…?」
なにか、嫌な予感がする。
そしたら、予感は当たるもので。
「翼がこんなにも変わっちゃったのは、ぜーんぶあの子のせいよね!
翼は何も、悪くないんだから〜」
表情は微笑んでいるけれど、考えていることは相当やばい事だなんて、すぐに分かる。
「梨紗…。
音羽に、なにする気…?」
音羽は、俺にとってすごく大切な人で、守るべき人だから。
俺のせいで、音羽になにかあったら……。
音羽の親御さんにも合わせる顔がない。
音羽の笑顔が俺のせいで消えることがあってはいけない。