マジかよ。男と二人って……。


いや、心音の学校が共学なら別にそんな驚くことじゃないかもしんねぇけど、花園って女子高だよな。


じゃあそいつはどこの誰なんだ?


「男って、どんな奴?」


「それが、星川の制服着たイケメンでさぁ」


「はっ?」


それを聞いてますますギョッとする。


ウソだろ。星川って、超エリート進学校じゃねぇか。そんな知り合いいたのかよ。



「背が高くて、爽やかで、頭よさそうで~……。あ、でも顔は椿のほうが上だと俺は思うけどなっ」


隆太は慌ててフォローするようにそう言ったけど、突然のことにショックを隠し切れない俺。


だって、心音にそんな男の存在があったなんて。塾で知り合ったのかも知んねぇけど、たしかまだ通い始めたばっかのはずだよな。


「マジか……。まぁでも、たぶん友達じゃね」


「うーん、やっぱ椿は知らない相手なのか~。塾で仲良くなった友達かな。でも、なんかやけに親しげだったんだよね~」


「へ、へぇ……」


隆太の言葉にますますモヤモヤが増していく。そんなにそいつと親しげだったのかよ。


「椿はいいの? 心音ちゃんが、他の男と二人きりで会ってても」