冗談じゃない、って何?

本気本気、って何?



なぜにこの状況で、突然『付き合え』?

ショックで泣いてたから?

不憫だから?

…失礼にも程があるでしょ!



超絶に、ふざけている!

…却下!!



「…バカじゃないの!」



私の渾身の大声が、辺りに響いた。

蓑島くんは「わぁーお」と、ニヤニヤする。

その反応が更にイラッとさせた。

…ふざけるのも大概になさい!



「…そんな、同情されて付き合ってもらうほど、弱くもないし、落ちぶれてないよ!…失礼ね!」



まるで、人の弱くなったところにつけこんだみたいに。

馬鹿馬鹿しい。

蓑島くんの前で、泣かなきゃよかった。

話もしなきゃよかった…!



そんな私の怒った様子を見て、蓑島くんは「ははっ」と笑う。



「…『落ちぶれてはいない』とは思うけど?…『弱くもない』は、ウソだね?」

「え…」



弱くもないはウソだね。



強がりで出てしまった言葉だっただけに、見事に見透かされて。

反論出来ず、ぐっと躊躇してしまう。



「弱くもないヤツがそんなにショック受けて泣くか。本っ当に、星月は儚い」

「………」

「本当に強い女は、あそこでは『私の瞳真に手を出さないで!』って乗り込んで、女同士でケンカするんだよ。ケンカケンカ」

「な、何言ってんの!そんなこと出来るワケないじゃない!」



それに、そんなことしたって。

瞳真が迷惑に思うだけでしょ…。



あの時の、瞳真の気だるそうな表情を思い出してしまう。

胸が…痛む。



「…ほら、弱い」