服を着ていたらあまりわからないけど、意外と筋肉質な背中だ。幾筋も水滴がついていてちょっと色っぽい。


私だってこんな裸の男の子を前にして本当は、恥ずかしいんだけど、やはりそう言ってばかりはいられない。


ちっとも拭いていないんじゃないかと思うくらいに体が濡れているので、少しでも早く拭かないと風邪をひいてしまうかもしれない。


だから、恥ずかしいなんて言ってられないのだ。


「ソファに座ってよ、北原君、背が高いんだから届かないよ」


チビの私じゃ、彼の髪の毛は背伸びしないと届かない。


「ん」


だけど、彼はソファにはいかず、めんどくさそうにその場にドカッと胡座をかくように座る。


もう、世話のかかる子供みたいなんだから、まったく。