『ん?』



こんな子供がせっかく頑張っているのだから
寝れるわけがないだろ。



すぐ側にある頭をワシワシとなでる。



む、しまった。



また怒られてしまう。



ん?



今日は怒りの声が飛んでこない。



千夏を見るとコクコクと首を揺らしていた。



これを、なんと言ったっけ?



船を、泳いでいる?



なんか、違う気がする。



まぁ、いいか。



時計を見るともう既に3時近い。



運ぶ..か.....



右の肩に暖かくサラサラとしたものが乗る。



千夏の頭だ。



はぁ、全く。



千夏の暖かい体温に自分も眠くなる。



あぁ、意外に気を張っていたのかもしれない。



やはり、千夏の横は落ち着く。



テーブルの上に乗っているリモコンを取る。



あぁ、



寝そうだ。



早く、



テレビを...消そ...う。



カチャン



音を立ててリモコンが落ち、テレビが消える。



夜行光だけがつくリビングに
静けさが広がる。





この後、朝起きてきた母親が
2人の寝ている姿をバッチリ写真に納めたのは
また別の話。