「坂下先生から、お前のこと頼まれてるしな。

…分かった、仕事終わるまで待ってろ。」



蒼がそう言って、応接室を出てすぐ


「蒼先生!」


という女子の声が聞こえた。


中から廊下を窺うと、顔を真っ赤にした生徒が蒼にラッピングされた物を渡していた。


顔だけは良いから、相変わらずモテるわけね…。


何受け取ってるのよ、突っ返せよ!


アンタ、梨香に悪いとか思わないわけ?


女子高生が去った後、蒼がこっちに戻ってきた。


ヤバいと思ったが、時すでに遅し。


「今見たこと、梨香には言うなよ。」


こういう勘は良いんだから、嫌になっちゃう。