カプッ

突然、首にピリッと痛みが走る。


「ひっ、ちょ、早凪くん?!何してるの?!」


「何って、生意気だから噛んだ」


か、か、か、噛んだって……。
何を言っているんだこの人。


「り、理由になってないよっ!早く離してよ!」


「ダメだって。俺だけのゆるなのに……」


「私は早凪くんのじゃ……」


「黙って」


早凪くんはそういうと、今度は私の手に自分の手を重ねて、指を絡めてきた。


「ちょっと早凪くんっ、」


きっと、恋人同士でもなんでもない人たちがこう言うことするのはあまりよろしくないこと。


でも、早凪くんのこのマイペースさには、そんなこと言っても通じないんだろう。


早凪くんの香りに包まれて優しく触れられることを、嫌じゃないと思っている自分がどこかにいるから、強く拒むことができなくて。


この胸の高鳴りはどんどん増すばかりで。


でも、こういうことを平然とやってのける彼を見ていると、私のことを女の子としてみていないからこんな風に簡単に触れられるんだろうって思う。


早凪くんの気持ちがわからない。