本当に・・・依子、変わったよね。



先生は、ふ~っと一度深呼吸をして、もう一度依子と龍の方に視線を向けた。




「愛する人と、親友どちらも大事で、そのどちらかを手にしていなかったら今の依子さんはいないと思います。いつまでも依子さんが笑顔でいられるよう、夫婦仲良く、これから産まれる赤ちゃんと3人で幸せになってください。卒業しても教え子であることに変わりはないので、困ったことがあればいつでも相談に来るように。いいな?里田!!」



急に先生口調になって、依子は涙を拭きながら、笑って、「はい、先生!」と言った。


笑いと共にすすり泣きも聞こえた。


依子のお母さんは、ハンカチで目頭を押さえながら、何度も先生に頭を下げていた。




「隣にいることを当たり前だと思わないように、日々の幸せを大事にして欲しいと思います。そして、今の気持ちを忘れずに・・・相手への思いやりの気持ちを大切にしてください。10年後も20年後も、今日の日のことを忘れないように」







そうだね。



思いやり。



大事だよね。



先生はいつも私を思いやってくれて、自分よりも私を大事にしてくれる人。