ケータイ小説 野いちご

闇に溺れて、秘密のキスを。




「なんで無視するんだ未央」
「引いてるの…」

「小さい頃の未央は、俺にひっついていたのに今は……悲しい」


やっと歩き始めたのはいいものの、お兄ちゃんに手をつながれてしまう。

「どさくさに紛れて手つながないで」
「嫌だ」


そう言って、お兄ちゃんは手を握る力を強める。
力で敵うはずもなく、結局されるがままの私。

お兄ちゃんはどうしてここまで妹の私が好きなのだろう。


「お兄ちゃん」
「どうしたんだ!?」

私がお兄ちゃんと言っただけで、嬉しそうに目を輝かせる彼。


「毎度毎度、私にこんなことして飽きないの?」
「こんなこと?」

「迎えに来てくれたり、恋人に間違われそうなこと平気でしてきたり」


「海外では、兄妹でキスもするんだぞ?挨拶代わりだとしても、羨ましいよなぁ。俺も未央とキスした…なんて嘘だから。ほらそんな蔑んだ目で見ないで」

「…………」


お兄ちゃんの暴走は本当に止まらないどころか悪化していく一方で。


今日1日で、私の周りの環境は一気に変わったけれど、目の前のお兄ちゃんは変わらず、重度のシスコンであった───


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