もう別れた仲だし
他部署だし
用がある時以外は顔を合わせず
今まで以上に他人として接すれば
いいだけの話。

付き合ってた半年の期間だって
仕事で関わる事すらなかったんだし
別に普通にしていれば平気。


…だと思っていたのに。


「・・・・今、なんと?」


広報課長(♂)に
新しい企画の打ち合わせに呼ばれ
会議室へと到着するや否や
予想もしていなかった事実を
突きつけられた。


「言ってなかったか?
 今回の新企画の編集担当者は
 先日、日本に帰ってきた陽向アルトさんだ」


いや、聞いてないっすよ。
え?何かの罰ゲーム?
どうしてこんなタイミング?
悪夢か?


「彼は日本に帰ってきたばかりで
 何かと慣れるのに大変だと思ったんだが
 今回の企画
彼は外国の方でバリバリやってきた人だ。
インターネット関連は特に強い。
誰よりも頼もしい相棒だと思ってな」


課長…
何を余計な事を…


「編集長からも陽向さん自身からも
 了承は得ている。
 今後は陽向さんとの打ち合わせも
 多くあると思う。
 しっかり頑張れよ」


最悪…。