「今年も何もなく
月日が経っちゃって
もう1ヶ月もするとクリスマスだよ?
過ごす相手も居ないなんて
さみしすぎるっ!!」


「あ・・・あたしはいいかな
一人でも・・・」


「強がっちゃってぇ!」


「だって どんなに頑張ったって
相手が居ないと
どうにもなんないしさっ」


「そりゃ そうだけどぉ
美結って男に興味ないの?
まさかのあれ?
女に興味あるとか?」


「違うよ!
ないわけじゃないけど
まあねぇ・・・」


これはバイト先で一番仲のいい
平野真由子との会話。


私大野美結(おおのみゆ)
半年前からこのホテルロワイヤルの
宴会のバイトをしているから
まゆとの友人歴は半年。


保母さんを目指し
専門学校で学んで資格を取り
就職も内定してやっと
平和に暮らし始めたばかり。


「真由子はいつから彼氏いないの?」


「半年かな」


「半年かぁ だからあたし
知らないんだね
どんな彼だったの?」


「あたしにはもったいないくらい
優しい彼だった
だけど遠距離になっちゃって
終わっちゃったの!」


「そっか。。。」


「美結は?」


「あたし?あたしは
もう少しで1年かな?」


「どんな彼だったの?」


「うーん・・・真由子と一緒で
優しい彼だったかな」


「別れた理由は?」



「色々あって・・・
振られちゃった・・・
というのが正解なのかな?」


「えっ?まだその傷癒えないの?」


「そんなことないよ」


過去の忘れたい嫌な恋愛を
真由子に話す必要もないから
そこはサラッとスルーをする。


会話してると
社長からの集合がかかった
仕事前に集合させられることなんて
今までなかったのに。。。