「一つだけ、言い忘れてたんだけどね。
俺、みんなに言わないとは言ったけど、全力でにおわせにいくから。
それを阻止できるかどうかは菜穂次第だよ?」
「におわせ……る?」
それって、結構危険なことじゃ…。
「も、もしそれで聞かれたらどうするの?」
「嘘をつくのは良くないからな。
その時はちゃんと言うよ。
菜穂は俺の婚約者だよって」
「……っ!?」
それは一大事だ。
まさかそんなことを蓮くんは考えていたなんて、思いもしなかった。
「今日は俺の勝ちだよ。
ちゃんと同じお弁当作ったからね。
なんならお弁当箱も色違いだよ。
あと水筒はね、二つ並べたら絵柄が合わさるやつなんだ」
え、ちょっと待って……朝だから頭の回転が遅いけど、危険な状況くらいはわかる。