一人で焦って泣きそうになっていると、そんな私に気づいた彼が今度は慌てだした。



「あ、いや、突然で困るよね!
ごめんね。


ほら、今すぐにじゃなくて、卒業してからの話だよ」



いや、訂正はしてくれないんだ。
嘘だよって。



え…もしかして、本気?
なわけないよね。



もうわけがわからなくなって、半泣きになりながら断ることにした。



「えっと…その、ごめんなさい…!
罰ゲームだったとしても無理です!」



彼の返事を聞かずに教室から逃げるように後にした。



そのせいで次の日、たまらなく休みたくなったのは無理もない。



ただ……



この日の出来事は、ただの始まりにしか過ぎなかった。