昨日は、この女に由良のことは“友達”だって説明した。 昨日のことがなければ、きっと今もそう説明してた。 「友達じゃない」 「え?」 「俺の好きな人だよ」 俺がそう言うと、その女は真っ青になって走っていった。 ……なんで女ってすぐに走ってくんだ。 「なんの話だったんだよ?」 「北村」 「久美ちゃん走ってったじゃん」 「どうでもいい」 「……冷たいなぁ」 どうでもいいよ、本当に。 由良以外の女なんて興味がない。