「う……うぅ……」

副社長は、社長の腕の中で大人しく
抱かれる状態になる。

「あ、あの……社長。
副社長は、大丈夫なんでしょうか?」

私は、恐る恐る近づこうとした。
すると黒王先生に止められた。

えっ……?

「近づいたらダメだ。
朔夜が、また錯乱して暴れるから」

「えっ……でも……」

私は、困惑する。

社長は、副社長を抱き締めたまま
背中を擦ってあげていた。

「萌……黒王。悪い。
少し席を外してくれないか?」

そう私達に言ってきた。

「えっ……ですが……」

「頼む……」