「これからはいちいち宿題のこととか確認してあげないから、自分でちゃんと提出期限気にしなよ」
「えっ、凪沙、冷たい!」
「冷たくない、みんなそれくらい自分でやってるんだから、優海だってできるよ」
「でも俺は凪沙にかまってほしいんだよ~」

口を尖らせながら言う優海に、「子どもか!」とつっこみを入れる。

少し笑った彼は、それから眉をひそめて私をじっと見た。

「つーか、なんで急にそんなこと言い出したんだよ」

ふいに真剣な声音で問われて、どう答えたものかと一瞬考えてから、

「……だって、いつまでも私が優海の面倒見れるとは限らないじゃん」

私は震えてしまいそうな声を励まして必死に平静を装って答えたけれど、ちょうどそのとき後ろから声をかけられて優海の注意はそちらに向いたので、たぶん私の言葉は耳に入らなかっただろう。

そのことにほっとしながら私も振り向くと、優海と同じバスケ部の林くんが彼に寄ってきて、部活の話をしはじめたところだった。

それをぼんやりと聞きながら、まだちょっと早かったかな、と思う。

いつまでも面倒を見られるわけではないというのは本当だけれど、まだ彼には伝えなくてもいい。

ただ、彼に悟られないように気をつけながら、焦らず、ゆっくり、じわじわと、でも確実に、私は私のやるべきことをやるのだ。