「……勝手にしろ」

そう言うと副社長は、立ち上がるとそれ以上
何も言わずに部屋から立ち去って行く。

「副社長……?」

本当にそれでいいのだろうか?

ギリッと拳を握り締める社長の姿は、
本心ではないのは、すぐに分かった。

「萌。今すぐに支度をしろ。
今日中に自宅から出て行くからな」

それなのに社長は、
出て行くと言い出してしまう。

本当にそれでいいのだろうか?

社長は、私の事を心配してくれている。
それは、分かっているけど。

「着替えろ。悪かったな。
朔夜が酷いことをして……」

そう言うと部屋から出て行った。

背中がとても切なそうだった。

「………。」

私は、服に着替えることにする。
着替えながら色々と考え込んでしまった。