「…よかった…。」

そう言って新井くんは笑って私の方を見た。

優しい、いつもの笑顔…

ドキ、ドキ、ドキ、ドキ……

なのにさっきの…フラッシュバッグで

さっきから心臓がバクバクしいる。

「あ、あのさ…

今度…見に行ってもいい?」

「っ…っ、み、見る?」

……どういう事っっ!?

「あ…やっぱダメ…?」

「…あ、えっと…」

新井くんをチラッと見ると……

私をじっと見ていた。

何だか急に…すべてが怖く見える…っっ。

睨まれてる気さえしてくるっ!

ドキドキ…

心臓が騒がしくて冷静になれない…

どうしよう…

何て言おう…

「あ、うん…大丈夫かなぁ…。」

はっっ!

何を言ってるんだぁーっっ!

「え!本当に!?」

「う…ん…。」

…断れない…っ。

だって……心臓が口から出てきそうで…

何も思いつかない…っ。

「じゃあ、今度…っっ!」

「うん…また……」

そう言うと新井くんは

さっさと帰ってしまった。

「…え、質問って…そっち…?」

ま、まぁ、本当に来るって

決まったわけじゃないしね。

「…まぁ…大丈夫だね…。」

それより…

とにかく、新井くんが単位とれそうで

良かった…。

そう考えたら、心臓の音は鳴り止んだ。

そして、すごく嬉しくなっていた。