そんな調子であっという間にに1ヶ月が過ぎ

セレーナは泣き言ひとつ言わず、イジメかと思えるほどの花嫁修業をこなして見せた。
厳しいマナーにグラファイトの歴史、政治、多岐にわたり勉強した。それに加え普通の姫ならば掃除や洗濯、料理などとんでもないことだが、セレーナは日頃、民と共に町の掃除や料理など楽しんでいたのでなんてことなかった。
洗濯はセレーナの初めての試みだったが、性に合っていたみたいで今ではセレーナの趣味と化していた。

この一ヶ月、度々ルーカスと街を散策しては民と共に過ごしたセレーナはすっかりグラファイトの民に愛される存在となった。
町ではルーカスとセレーナの結婚式を早く見たいという声で溢れ、その声は国王の耳にも届いた

花嫁修業最終日、グラファイト王直々にセレーナに会いに来た。

「国王陛下、この度は未熟な私に様々な知識と経験をお与えくださりありがとうございました。偉大なるグラファイト王国に嫁ぐにはまだまだ力不足かもしれませぬが、これからも日々精進してまいりますので、どうか、、、」

私たちの結婚をお許しくださいと続けようとしたその時、国王陛下が口を開いた

「セレーナ姫私は貴方に謝りにきたのだ。これ程に頑張り屋で民に愛される姫はなかなかいない、私の非礼を許してほしい、そしてどうかルーカスを支えてやってくれ。時代は日々変わりつつある。時代は、人々はお前たち2人のような民衆に愛される王族を望んでいるのだろう。」

「陛下、、、」
セレーナは国王に認められ、嬉しくて涙が出てきてしまった

「父上、私の婚約者を泣かせないでください。」ルーカスが父王を睨みつけると

「ハハハ、すまんすまん、だが、この一件で妻とも話していたのだが、お前たちの結婚式と共に私は隠居しレイジアナと2人ゆっくりと過ごそうと思うのだ。ルーカス、国を頼んだぞ。セレーナ姫がお前の隣隣にいてくれるのなら私も安心だ。」

「父上、、、」

こうして、セレーナはグラファイト王にも認められ、無事花嫁修業を終わらせ、サヴェント王国に帰った。

セレーナの帰国後も度々ルーカスはセレーナに会いに行き、ここサヴェントでも2人は町に繰り出した

この時の2人の脱走劇といったら、、、
後にサヴェントの民に語り継がれる物語を繰り広げた