「はい?なにいってんの?」

京の言葉にさすがに利都も困惑した。

「記憶を取り戻す必要なんてない。忘れたままでいい」

先ほどの感情のこもらない声は変わらずだが京の表情は悲しくそして辛い顔していた。
その表情に利都は納得した顔を見せた。

「・・・・そうだね。なんも思い出さない方が柚にとっては幸せだね」
そう答える利都も京と同じ悲しい表情していた。

そんな2人の中の会話に柚は訳も分からずただ戸惑いだけが残った。

"何も思い出さない方が柚にとっては幸せ。"


「柚、お前にこれだけは言っておく。」

「・・・なんでしょうか」

「柚は俺か利都、どちらかと結婚する事になっている。」

「・・・・・はい?」