「びっくりしたー!!姫香ちゃん突然涙が出るんだもん!ヒヤッとしたよ!」

「ごめんごめん!」

あれ……?

私、自然に喋れてる…?

「あっ!!水筒忘れてきちゃった!ペットボトル買ってくるから、姫香ちゃんはここで座って待って

て!!」

「なんなら私も……!」

「大丈夫!!私一人で!」

そう言い残し、彩ちゃんの姿はすでに見えなかった。

足速い……。

そう言い、私はベンチに座り空を眺めていた。

今日、こんなに空青かったんだ…。

「なぁに空なんて見てんだ?」

すると、いつの間にか私の目の前には仁人の顔が映っていた。

「わぁぁぁぁぁ!!びっくりしたぁ…。」

「クククククッ……。わぁぁぁぁぁだって…。面白い…!」

仁人は、お腹を押さえ笑いをこらえていた。

「もう…。急に脅かさないでよ!!なんで、こんな所に仁人がいるの?」

「な…なんでって、そりゃあ……。」

「何?ハッ……!!まさか、私をからかいに来て……!?」

私は、距離を置き守りの体制になった。

「違う違う!!俺そんな事考えてない!!」

「じゃあなに?」

すると、仁人は背を向けてこう言った。

「ひ…姫香の事が心配で見に来たんだよ……!!悪いかよ…!」

その言葉に、私の胸がギュっと締め付けられた気分になった。

私の事を心配してくれて……?

「あ…ありがとう…。」

何だろう…。

この気持ち……。

「俺そろそろ行くわ。友達できて良かったな。じゃあな、姫香。」

「えっ?うん。またね。」

そう言い、私は仁人の遠くなる背中が見えなくなるまで手を振った。

仁人、ずっと私の事見てくれてたのかな……?