「ごめん。もう、プロジェクトも終わって成功したし、しばらくはゆっくり出来るよ。一緒に旅行に行こう。歩保を一人にはさせない。」


「うん。圭太、好きだ。」


「俺も大好きだよ。」


そう言うと私と圭太の唇が合わさった。


久しぶりのキスは優しかった。


「‥でも、どうする?誕生日明日だったよな?明日まで持つかな‥。」


「圭太、せっかく用意してくれたんだし一緒に食べよ。それに、今まで寂しかった分を圭太に穴埋めしてもらわないと。」


「え?何をするつもり?」


圭太が少し身構える。


「誕生日、明日だから一緒に誕生日を迎えてほしいの。だからさ‥」


私は圭太の唇に人差し指をのせた。


「今日は寝させないよ?私の誕生日を迎えるまでは。」


「それって、つまり‥俺の家に泊まるてこと?」


「うん。異論は認めん!て言いたいところだけど、大丈夫かな?明日のこともあるし‥やっぱ迷惑かな?」


私がたずねると圭太は嬉しそうに言った。


「大丈夫だよ。明日は休暇とったし。布団、あったかな?」


「よかったー。」



その後、私と圭太は食卓に並んだ豪華な食事を食べた。スーパーで買ったもの、圭太が作ったものを2人で綺麗に食べた。


食べたあとは近況報告などをしていたが、気がつくと23時57分だった。


「あと、ちょっとで歩保の誕生日だね。」


「うん。そうだね。」


圭太はそう言いつつバースデーケーキに火をつけ始めた。


「圭太、こんな深夜にカロリーの高いやつを食べるわけ?」


「雰囲気、出すためにもろうそくをつけるだけな。ケーキは明日食べよう。」


そんなことを言ってるとすでに23時59分だった。


「もう、20秒切ってるな‥。歩保、12時ジャストにろうそく消せよ。」


「了解!」


そして‥


「5‥4‥3‥2‥1‥」




私は12時ジャストにろうそくに火を消した。


「お誕生日おめでとう歩保。27歳になるんだよな。」


「ありがとう。こんなに幸せな誕生日て今までなかったよ。」


「あのさ‥歩保。‥俺と出会ってくれてありがとな。」


圭太が急に姿勢を正していった。


「どうしたの?急にあらたまって‥。」


「今年こそは言おうと思ってたんだ。プロジェクトが終わったら絶対に言おうて。それも、歩保の誕生日に。」


「え?何?別れようて言わないよね?」


私はすごく不安になった。