「どうした?」

 「あのね、好きなの…谷野君のこと」

あぁ…やっぱり
血の気が引いていくのがわかった。

何で珍しくこんなことしちゃったんだろ…
補習に引っかかっていればこんな場面見なくて済んだのに。

 「三上さんだよね?…俺なんかでいいのか?」

 「谷野君が好きなんです」

これ以上聞きたくなくて離れようとするも石のように足が重く動けなかった。

 「…わかった。俺こそよろしく」

何かが壊れる音がした。
息が詰まり苦しくなる。

 「本当に…?いいんですか!?わ、たし・・・嬉しいです」

前に佑斗言ってたもんね。

いつかこうなることが分かっていたじゃないか…
それも動けなかったのは他の誰でもないこの私だったんだ。