国王と大臣たちとの密談が行われた、その翌々日。
国民の大歓声に包まれて、グラディス王女は豪勢な婚礼支度と共に、国を出発されました。

ビーワ国でお幸せに! と国民達は飲めや歌えやの大騒ぎで、お祝いのお祭りが、国内の至る所で行われました。

グラディス王女は、生まれ育った愛すべき国を出て行かねばならない悲しみがあるのか、
これから嫁ぐという人生の重大なことに戸惑っているのか、
馬車の小窓から小さく手を振るだけでした。


ほう、あのワガママ姫さまも、少しはしおらしくおなりなのかねぇ。

そんな事を言う、口の悪いものもおりました。