「これなの?」



5センチほどの厚みがあり、枕の下に敷くにはかなりハードルが高い。



「そうだけど、またなんか面倒なことに使う気?」



「面倒なんて!月の光にあてたあと、枕の下に敷いて寝ると…」



疑わしそうな顔で見てくる。



…だよねぇ、おまじない…信じないもんね?



「そーいうの、俺はやらねぇから」



「知ってるよ。けど、その日見たいい夢が正夢になるの。すごくない!?」



「だな。深層心理にある願望を、夢に見て正夢になる。世界征服も夢じゃない」



しっ、信じてない~!!



「今年のカズマに、いいことあるといいなって思っただけなのに」



「ありがとよ。それ、毎晩敷いて寝るわ」



本気かどうか、カズマは笑ってあたしの手から参考書を取った。