「そうだよな…悪いことしたな」



「悪いって?」



「俺のことで揉めてたみたいだから…」



「はぁ?尚更入ってけよ。見過ごしてどーする」



「だよなぁ」



こんなときにでも、ヘラっと笑う紫藤が憎らしい。



「桃ちゃんを諦めさせろとは言ったけど、そういうのは例外だろ?助けてやれよ」




一体、なにを言われたんだろう。



泣きじゃくってたよな。



「今からフォローしてこいよ」



「はっ!?今から?もう、昼休み終わるけど」



「関係ねーじゃん。あの子、屋上で号泣してたんだよ。よっぽどひどいこと言われたんじゃね?」




「そっ…そうか。わかった、行ってくる」



慌てて紫藤は廊下を走ってく。



このぐらいの罪滅ぼしはさせてくれよな。



桃ちゃんに関わるなとか、言い出したことを反省してる。



いくら紫藤がチャラくても、関わるかどうかを決めるのは桃ちゃんだから。