あいつの大好きな、“おまじない”の相乗効果を狙ってみた。



咄嗟に思いついたとはいえ、2度とあんなこと言えねぇ。




もう一回しようかとか、いつもと違う自分のキャラに赤面する。




おまじないなんて、現実から目を背けるための戯言…そう思っていた。




魔法のように、唱えるだけで効果が現れるわけじゃなし。



そんなものに頼るなんて、ありえない。



けど、おまじないっていう言葉に見えないパワーをもらえる。



叶いっこない現実を、完全に諦めてしまう前に…できることもあるのかもしれない。



奮いたたせるなにかが、自分に備わる気がしてくる。



ゆめの言うように、俺は余計なことをしたのかも。



桃ちゃんは、紫藤にはもったいないって思うこと。



それは桃ちゃんが決めることで、俺が決めることじゃないよな。



例え傷つくかもしれなくても、好きっていう想いは止められない。