追試の結果を聞くために、職員室に行ったえれなを下駄箱で待っていたときのことだった。天気を気にして昇降口から空を見る。傘を持ってきていないのに、どんよりと濃い灰色の分厚い雲が出ていた。ゲリラ豪雨をもたらすとしか思えないその雲がどんどん空を覆っていく様子を、わたしはどきどきしながら見ていた。

えれなはまだかなと下駄箱に戻ったときだった。

廊下の向こうに颯太くんとえれながいるのが見えた。と、突然颯太君がえれなの腕をつかんで、無理矢理のようにひっぱって教室に入って行ってしまった。

わたしは足がすくんで、動けなくなった。なぜだか震えだした手をもう片方の手で押さえ込む。

もしかしたら、とうとう颯太くんはえれなに告白するのかもしれない。

そう思ったら、もうどうしていいかわからなくなって、わたしはうろうろ行ったり来たりしながら考えた。