「まさか、六大学のうちの一つ、K大!?」


「ピンポーン!って、うわっ、古っ!!」


自分で言ってて突っ込んでるよ、この男。


「何々?一ノ瀬君てK大卒なの?」

「坂上君と同じ学部って何?」


私と彼等の間に割り込む未婚女子の群れ。
唖然とする程の突進力に思わず弾き飛ばされた。


ドスッとぶつかられた腰の辺りを摩りながら、ウソでしょ〜〜?て思う。



あの、一ノ瀬圭太がK大?
しかも、ハイスペックだと言い張る理由は何?



「すってき〜〜!ハウスデザインやってるの?」

「それって建築士?」

「わぁ、一級建築士だって!カッコいい〜〜!」


名刺を配られた女子達が狂喜乱舞してる。


「ねねっ、独身なの?」

「恋人はいる?いない?」


もうすっかり一ノ瀬王子様って雰囲気で盛り上がってる。

私はそんな彼と女子の群れを眺めながら、苦く散った初恋を思い出したーーー。