見送っていた倫子は引き戸を閉めると鍵をかける。 倫子の勤める学校はクリスチャンスクールのため、冬季休業に入るのが早い。 休みに入ってすぐ宗忠のところにかけつけた。 「クリスマスに間に合ったのに」 思わず愚痴が口から洩れる。 宗忠は忙しい。 無医村循環医として駆け回る日々だ。 わかってる。 週末ごとにここに押しかけ、仕事ぶりをみているし、それなりに自分で調べたから。