そもそも、外はもう薄っすらと暗くなっている。



「あのぅ……やっぱり、部屋に戻らない?」



今から遊びに行こうものなら、お母さんの反感を買うことは間違いなしだ。

それにもう時期仕事から帰って来る時間だし、どこかで鉢合わせようものなら……。



「あら、奏?何をしているの?」

「えっ?」



って、まさかの鉢合わせちゃったパターン?

アーラと一緒にいるタイミングで?



「そちらの方は……?」



母の視線が、私からアーラへスライドした。



「初めまして、お母さん。二十日奏さんのクラスメートの黒羽翼です。彼女とはお付き合いさせて頂いています」



………ん?

今、なんて言ったの?



「おっ、お付き合い?!」



叫びにも似た声が母と完全に被った。



「はい。心配には及びませんよ、お母さん。彼女を泣かせるようなことは致しませんし、清く正しい付き合いをさせて頂いておりますので。ご安心を……」



そう言ってにやりと笑った横顔に身震いがした。