……できれば、行きたくない。
だって見たくないよ、清瀬くんがユカに告白するところなんてら。
想像しただけで、胸が張り裂けそう。
「あ……」
ふとその時、チケットに書かれてある日付けが目に入る。
この日って7月の最後の土曜日、だよね……?
先輩に花火大会に誘われた日とかぶってる。
「ユカ、ごめん」
「ん?」
「私この日行けないや」
……きっと、そういうこと。
神様は私に言ってるんだ。
あなたと清瀬くんはけして結ばれない運命にあるのだと。
だから、ライブには行かずに先輩の花火大会へ行きなさいと。
この、清瀬くんへの恋心はとことん神様から祝福されていないらしい。
「そっか……それは残念だね」
「うん……清瀬くんにも謝っといて」
「わかった」
会話が終わるのを見計らったようにチャイムが鳴り響いた。
……たとえ今はムリでも、ユカと清瀬くんがめでたくカップルになったら。
おめでとうって言える自分になりたい。