今日も、朝から風紀検査。


校則違反している者がいないか、教室の前の扉を塞ぐように立ってクラスメイト一人一人を念入りにチェックする。




「おっはよー進藤くん!」




ふと耳に入ってきた明るい声。


たったそれだけで、相手が誰かわかってしまう。




「永井さ……」




今日はどんな校則違反をしているかと顔を上げると、幸せそうな笑顔を向けた永井さんがいた。


……あれ?




「今日は、何も違反してないよ」




くるりとその場で一回転した永井さんに、俺は一瞬目を疑った。


校則違反常連の永井さんがまともだなんて、失礼ながら驚いてしまった。