あたし、篠崎 ほのか(しのざき ほのか)は、小学校3年生の時に両親が離婚した。


父親、篠崎 真琴(しのざき まこと)は40歳で他の女を作り、家を出ていった。


後で聞いた話だけれど、再婚したとも聞いている。


そして、あたしの母親、篠崎 由子(しのざき ゆうこ)は32歳で2歳年下の藤枝 孝(ふじえだ こう)という彼氏を家に連れてきた。



『藤枝 孝だよ。よろしくね、ほのかちゃん』



どこからが悲劇の始まりだったのか、両親の離婚…彼氏の登場…もう分からない。


そう、このボサボサの黒髪に、三日月のように細くてつり上がった目…。


胡散臭い笑みを浮かべた藤枝 孝が現れて、悪夢が始まった。