泣きそうになったけど、めいっぱい笑った。

悲しくて、寂しいけど。

それでも、笑顔で迎えたかったから。

優しくて強くてかっこいい先輩達を。

そして、式は始まった。

どんどん式は進んでいき、在校生送辞も終わって。

次は卒業生の答辞。

あ…カナト先輩が言うんだ。

「春の訪れを感じるこのよき日に、俺たち三年生一同は無事卒業式を迎えることができました。」

それから、どんどん話は続いていった。

「在校生の皆さん。高校3年間はとても短いものです。」

あれ?目が合ってる?

「その3年間の中で、色々なことがあるでしょう。すれ違いや挫折など本当にたくさんの壁が立ちはだかると思います。」

…先輩。

「それでも、決して諦めないで下さい。諦めなければきっと道は開けます。俺たちがそうだったように。」

そう言って先輩は優しくわらった。

ぽろっ

「そして、仲間を大切にして下さい。当然と思うかもしれないけど、意外と難しいものです。勘違いなどで簡単に崩れてしまうものなので。」

と、月華のみんなを見ながら先輩はいった。

「俺たちもそうでした。でも、1人の女の子が仲間というものはどういうものかを教えてくれたので今の俺たちがあります。」

そんな…私は何もしてないのに…。

先輩達がちゃんと話し合ったからだよ。