琉衣くんはそれだけ言い放つと、くるりと向きを変え、また歩き出す。


私はしばらくその場から動けなくて、固まったまま。


ドキドキして心臓が止まりそうだった。



だって、そんな…


琉衣くんがそんなこと言うなんて。



じゃあ小高くんに怒ってたのは、

対抗意識燃やしてたのは、

睨みつけてたのはそのせいなの?



麻実のセリフが頭をよぎる。



”ヤキモチ妬いてるんだよ”



本当にそうなのかなって思ったら、体が震えてきた。



ありえない…


ありえないよ……


どうしよう…。



「…っ何やってんだよ!

早く来いよ!!」



琉衣くんは振り返って私を呼んでる。


その声にハッとして、走って追いかけた。


追い付いたらまたガシッと腕を掴まれて。


そのままうちへ向かう。

お互い無言のまま。



そして結局家に着くまで一言も話さなかった。


だけど心臓はドキドキしたまんま。


私はその夜、なかなか寝付くことができなかった。