爆音のリズムからして見ると、雄大がいつも通っているクラブにいるようだ。

「着信があったからかけ直してきたんだ。

何かわかったことがあったのか?」

そう聞いた俺に、
「それがまだわからないんだ。

お前ンところの従業員って、ものすげー頭がいいんだな。

よーく計算して行動してるから参っちまいそうだよ」

雄大がやれやれと言うように答えた。

「どう言うことだ?」

意味がわからなくて聞いた俺に、
「何せ、失踪した時期がゴールデンウィークなんだろう?

新幹線とか高速バスとか飛行機とか、とにかくあらゆるところに当たって見たんだけど、なかなか見つからなかった。

乗客の顔なんかいちいち覚えちゃいないって言う感じだったぜ」

雄大が呆れたと言うように答えた。