「千菜、俺たちは不幸になんかならない。例え、何かあったとしても、それは千菜のせいじゃない」

「でも・・・」

「信じろ。俺たちを。俺たちはそんなに軟じゃない」



どうしてだろう、心がすっと軽くなるの。
許されたようなそんな感覚に陥る。



そんな私の様子にホッとしたように鬼羅が頷くと私を支え立たせた。




「時光はきっとまた来るだろう。これからは、あまり一人になるな」

「・・・うん。でも、時光って人、私の事まだ千代さんだと思ってる・・・。ちゃんと誤解を解けば分かってくれるんじゃ」

「わかってもらおうなんてしなくてもいい。あいつは、自分のために千代を苦しめた奴なのだから」




鬼羅が眉を顰め時光が去っていた方を睨みつける。
また千代さんの事を想ってる・・・?



私は思わず鬼羅の着物の裾を握りしめた。




「・・・どうした?」

「え、あ、ううん・・・」




なにしてんだろう私・・・。
慌ててその手を放して俯いた。