帰りのホームルームが終わると沙耶ちゃんがカバンを抱えてやってきた。


「ねぇ、りり花、ストレス発散に買い物行かない?

それで夜ごはん一緒に食べて帰ろうよ。

もう玲音くんの夕飯作らなくていいんでしょ?」



玲音に尖った視線を向けている沙耶ちゃんに謝った。



「ごめんね、沙耶ちゃん。今日から保育園でアルバイトなの。

その前にちょっと寄りたいところもあって…」



「寄りたいところって、もしかしてまた空手道場?」


「え、いや、あの…」


「さては颯大って人に会いに行くんでしょ?

さっき、メールきてたもんねぇ♪」


「さ、沙耶ちゃん、なんで知ってるの?!」