「白神は暴走族の中の最強なんだよ! 幹部クラスはどんなに調べても出てこない…敵に回したら最後、潰されてしまう……!」
男の手がブルブル震える
「っ、来いっ!」
鎖を外し後ろ手で縛られたまま部屋の外に連れて行かれた
外はまさに地獄絵図
倒れたのは絃鬼の下っ端、幹部クラスだろうがピクリとも動かない
立っているのは五人だけ
カラフルな髪色に白の特効服をなびかせている
「マジ…かよ」
男がゴクリと唾を飲み込む音が聞こえた
「……後はお前だけだ。 大人しく女を返して貰おうか」
五人の一人、毛先が黒みがかった白髪の男が静かに言葉を発する
それだけなのに威圧がここまで押し寄せてきた
「仲間にこんな事をして、こいつを返すわけにはいかないだろうが!!」
男の必死の抵抗なのかナイフを私の首筋に当てた
「「「「!!」」」」
白髪以外の四人の動きが止まった