ケータイ小説 野いちご

君だけに、そっとI love you.




ウサギを抱いたままじっと掬恵のことを見ている周翼。






「んっ?まだ、私の事が心配?私ならもう大丈夫だよ。今から、部費、溝口先生にちゃんと預けてくるから」






「じゃあ、僕はこのウサギを飼育小屋へ戻してから、家へ帰るよ……」





「坂口くん、色々とありがとう」








「うん。じゃあ、また明日」








別れを惜しむ様子もなく手を振る掬恵。







職員室へ入っていく掬恵の姿をそっと見届ける周翼。








学校の大きな鐘の音が校舎全体に響く。








──僕は、吉井さんのことを少し心配し過ぎているんだろうか。








首を斜めに傾げながらゆっくりとした足取りで飼育小屋へ向かう周翼だった。



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