「……大丈夫」



私なら、出来る。

笑顔を繕うことなんて簡単なことの筈。

笑って、昔話して……変じゃないよ。

誰も、まだ引きずってるなんて思わない。



「……よし」



頬を強く叩いて、気合を入れる。

今度はしっかりとした足取りで、隆太郎の元へ戻った。



「ただいま」

「……おかえり」



グラスに少しだけ残っていたお酒を飲み干し、おかわりを頼んだ。



「最近隆太郎、高校の友達と連絡とってる?」

「んー、そんなにかも。……あ、でも佐伯とは今でも仲良いよ」

「そうなんだ」