私はﾌｧｰｽﾄﾌｰﾄﾞ店に入ると、ｽﾞｶｽﾞｶと足音を立ててﾚｼﾞに向かった。


「………ご注文は」


店員は気だるそうに私にそう聞いた。


「男紹介して!!!」

「はぁ?」


しばらくして店員がめんどくさそうに飲み物を持ってきて、私の目の前にﾄﾞｶｯと座った。


「仕事は?」

「休憩もらった」


わざわざ休憩とってくれるなんて…なんだか悪いことをした気分になった。

いや、実際してるんだけどね


「つか俺に男紹介しろって頼む方が間違ってねぇ?」


目の前の人…
小学校からずっと同じｸﾗｽの"田熊(ﾀｸﾏ)"は眉間に皺をよせて言った

田熊は確かに友達が多いﾀｲﾌﾟじゃないけど…


「だって男友達って言ったら田熊しか思いつかなかったし…」

「ﾊｧ…つかお前ｱﾚは?Ｂ組の」

「王子?」

「それ」


私はｼﾞｭｰｽのｽﾄﾛｰをくわえて少し飲んだ