わたしは廊下にポーっと立ったままでいたあと、我に返って教室に戻った。



「百華おそーい。 なにしてたの?」


「ごめん、ちょっとぐにと話してた」



ありちゃんにそう答えながら、崩れるようにイスに座る。



ほんとに、氷野くんのかっこよさハンパなかったなあ……。


クールって言葉がぴったり当てはまる。


口数は少ないけど、嫌悪感はない。


なんなんだ、あのかっこよすぎる人は。



知ってたけどね。 氷野くんがかっこいいことくらい知ってたけど!


近くで見たら……ねえ。



そんなことを思っていたら、なんだか無性にメロンパンが食べたくなった。