湖羽酉飛鳥(こばとり あすか)は幼い頃から頭が良かった。

彼の両親はその事に対して喜んでいた。誰だって自分の子どもの出来が良ければ嬉しいものだ。


けれど同時に飛鳥は周りを見下していたりもした。子供ながらに成熟していた思考は周りの低レベルさに対しすっかり辟易していたのだ。


それでも保護者が自分の為に色々してくれているのは分かっていたから、彼等を悲しませないようにするため周りとレベルを合わせるように振る舞った。

飛鳥が中学受験をしたのも、彼等の勧めからだった。
公立に行くよりは受験して私立に行く方が、頭のいい子が多いだろう。
そうすれば無理しなくてもいいんじゃないかと云う彼等の優しさからで、飛鳥はその通りに進学した。

それでも飛鳥の頭の良さは群を抜いていて、足並みを揃えるのにも疲れてしまっていた。

それがストレスになっているのか、飛鳥の睡眠が浅くなっていって昼夜問わず寝るようになったのはこの頃からだ。