ほっとしたのも束の間。



「闇から生まれし黒き悪のものよ。
光から生まれし我が、正義の名のもとに今ここに光の力で滅ぼそう」



両手を高く上げて、何やら痛々しい呪文を詠唱し始めた千明。

能力を使う前に、そんなのは必要なかったはず。



「あのー、千明?もしもし?」


「全ての悪を燃やし尽くす炎の力。
全ての闇を洗い流す水の力。
全ての混沌を振り払う風の力。
全ての闇を包み込む土の力。

四属性の祝福を受けし、光の武器」



ダメだ、完全に入っちゃってる。
しかも長い。

そんなことしてる場合じゃないってば。


緑色の疑似生命体が襲いかかってくるのを両手でふせいでいると、二体目が専用の排出口から出てくる。


もう、一体で精一杯だよ!
千明、早く!