こうしたら次はああなる、と、長年の付き合いで分かりすぎてしまう。流星とは、生まれた時からの付き合いだから。

 でも、今回みたいに流星から厳しく注意を受けるのは初めてだった。それが、流星を避ける一番の理由。

 私のこと、理解してくれてると思ってたのに、流星も結局は、世間一般の意見を私に当てはめた。ニートはよくない、って。


 私自身、ニートがいいことだなんて思わない。でも、積極的に否定する気にはならない。だって、人に害を与えているわけじゃないし……。

 自分に甘いだけだと分かっていても、私は今の暮らしをやめられなかった。人に接するのは苦手だから。


 こういう内向的な性格になってしまったことを親のせいにするなんて幼稚かもしれないけど、私がこんな風になってしまったのは幼い頃置かれた家庭環境が原因なんだと思えてならない。

 私の父親はおしゃべりだった。話し上手なのではない、会話のキャッチボールができない人なのだ。壊れた音楽機器のごとく、自分ばかり一方的にしゃべりまくる。相手が相槌(あいずち)の上手い人だとなおさら父のマシンガントークは加熱する。聞かされている方が退屈そうにしていても気付かず父はしゃべり続ける。