どんなに足掻いても、皐月さんの手はビクともしない…どころか!!

俺の口のなかに柔らかいものが入ってきた。それが皐月さんの舌だというのは、すぐに察しがついた。
皐月さんの舌は、おれの唇の裏を擽るように動いて、俺はうっかり開けてしまった。

するとすぐに、皐月さんの舌は俺の舌を包んでしまった。

ゾクッ…
「え?」
やっと口が離されたと思ったら、皐月さんは俺の耳元に顔を近づけて、息を吹き掛けた。
それだけなのに…。

何で俺…こんなにドキドキしてんの!?

「由吾…、お前は俺のだろ…?」
耳元でささやかれた声が… 、アイツと…隼とそっくりで…。
あ、ダメだ。このまままた飲み込まれる…!!

俺は静かに抵抗をやめていた…。

俺が動かなくなったことに気づいたのか、皐月さんは、俺の服の下から手を忍ばせて、俺の胸の突起を優しくさすり出した。

「由吾…。良いのか?抵抗しなくて…。」
…出来るわけない。いや、いつもなら出来たはず…なのに、体が震えだして、思うように動かなかった。

「…うッ…。んッ…。」
ただ声を押さえることしかできない俺に皐月さんはクスッと笑って、俺の胸の突起をきつくつまんだ。

ビクゥッ
俺は、自分の思い通りにならない体に混乱するばかりだった。
「…皐月さん?俺…おかしい…。」
俺の目からは涙がこぼれていた。

「…お前、感じるのはじめてなのか?」
ギクッ…気付かれたっ!!
俺は、顔をそらした。

「…へぇ…。」
目だけで皐月さんの表情を見ると、右の口角が上がっていた。
意地悪な皐月さんになってる!!!!

俺の焦りとは裏腹に、皐月さんの手は俺の下部に移動していく…。

「あ、そこはダメッ!!」
「ん~?ダメって言うわりには、固くなってきてるけど?」
ジャージの上からだったのに、皐月さんから擦られるだけで、俺の体が熱くなっていく…。

「…あっ…!!」
俺のものとは思えない声が寝室にこだました。
「濡れてきたな。そろそろ…生…触りたいんだけど。」
生って!!すごくエロイ響きで言いやがって!!

「…勝手に…すれば?」
俺は息を落ち着かせながら、そう呟いた。